
21/09/2024
9月20日(金)杉並公会堂小ホールで第3回のPOEM*CONCERT「一つのメルヘン〜中原中也の詩と歌」が開催され、100名を超える来場者にお越しいただきました。
今回のPOEM*CONCERTは、男女二人の歌手とさらにチェロ奏者を迎え、いつも以上に変化に富んだコンサートになりました。
前半は、中也の生い立ちから詩人としての世の中に出るまでをとりあげました。故郷山口への思いをうたった詩や歌をお聞きいただきました。第1部の最後には、中也の詩が初めて世に出た歌曲「朝の歌」「臨終」が、当時と同じ編成(バリトン・ピアノ・チェロ)で演奏されました。これは「スルヤ」という当時は珍しいアマチュア音楽集団が、中也の詩に目を留め、歌曲にしたものです。
第2部は、まず中也の不思議な世界観を表した詩(「サーカス」「一つのメルヘン」)をとりあげ、次いで最愛の息子を失った悲しみに焦点を合わせました。また、朝岡真木子さん作曲の「春宵感懐」が初演されました。
解説付きの歌曲コンサートでも、歌曲を紹介するレクチャーでもないこのPOEM*CONCERTのコンセンプトに「初めての経験だけれど、構成がすばらしかった」「中也の生涯を知ることで、詩や歌曲の言葉がより切実に感じられた」といった感想が寄せられました。