20/04/2025
久々に出てしまいました。ブショネ。
当方ではお客さんにワインを提供する場合、開栓時にコルクの匂いを嗅ぐと同時に必ず一口飲んでみる事にしています。
一昨日、3本の赤ワインを開栓しました。うち1本目は当方も未飲のポルトガル産。他の2本はどういうワインか知っています。
しかし2本目のワイン、以前飲んだ時と全く違う味と香りでした。2019年産なのに熟成感がありエレガント、香りの量もそこそことお薦めだったのですが、個体差にしても、という感じ。そこで3本目を開けるに至った次第です。
開栓直後のワインは還元臭とまで言わなくても、まだ開く前の香りや味に違和感のある場合も多く、できる限り翌日まで少し残すようにしています。
開けた瞬間ブショネだ!と思って栓をし直し翌日確認すると、あの匂いが消えている、という事もあるからです。
今回はその逆、翌日確認すると僅かですが確実にあの匂いがします。軽いブショネだったという事です。
ブショネは開栓後時間が経つにつれ酷くなります。初日は気付かない程度、とは言い訳になるでしょうか。
早速近隣でワインも出す知り合いの店に持って行きました。詳しくないとの事でしたし、これが軽いけどブショネだよ、と経験値を上げる良い機会になればと思ったんですが。
「さっぱりわからん。普通に美味しいやん」との事でした...
ブショネ、厄介ですよね。飲むのは20年後とかのワインでない限り、コルク使うのはやめて欲しい。DIAMとかが高いのならスクリューキャップにせい、という感じです。
ブショネの発生率は3〜5%程だと言われています。20本に1本は当たると考えるべきお酒です。絶対に発生するからこそ、その責任の所在が難しくなります。
生産者、インポーター、流通業者、販売店、または提供する飲食店、そしてお客さん。誰が損失を被るべきものなのか。
ブショネの返品を認めない一般販売業者も多いですし、下手をするとソムリエ在店で知らんぷりして出すレストランもあるとかないとか。
廃棄や返品受付は誰にとってもそのまま無駄な経費、損失となりますから。
次回もっと分かりやすいブショネが出た時は、小瓶にでも分けていろんな人にお裾分けしようと思っています。
写真は数年前、過去最も酷かったブショネの空瓶です。瓶の中で焼き付いてます。個人的には熱劣化したものほどブショネを発生させやすいのではないかと考えています。とあるインポーター兼ネットショップで購入した2010年のサンテミリオンでしたが、同店にて同時購入のもう1本もブショネ、二度とここでは買えないなと思いました。
ダンボールにインクを染み込ませ、雨の中2,3ヶ月放置したような強烈な匂い、二度と忘れる事のない匂いです。