
14/07/2025
【勝手にチームビルディング〜沢登り実践講習「小川谷廊下」】
小川谷廊下の名物「チョックストーン」は
出だしに出てきます。
ここを越えないと小川谷廊下は始まらない。
実践講習担当の三ツ堀です。
チョックストーンの弱点となり得る右側の壁には
ギリギリ届くところにハンガーが穿たれています。
ここを支点に乗っこそうとしますが、上に掴めるホールドはない。
代わるがわる挑みますが、誰一人として抜けられません。
抜けられないのに何でこんなところに残置支点が打たれてるんでしょうか?
奥のチムニー状には水流がかかり、
ここを頭から水を被りながら突破を試みます。
シャワークライミング?っていうか、そういう水遊び的な悠長な感じじゃない。
水量があって水圧をもろに受けながら突っ込みますが、
下手をすると空中で溺れそうな勢い。
どうしても跳ね返されてしまいます。
越えられない。
どうする?どうするんだ?
それまで後方で寡黙に戦況を見守っていたメンバーの一人(沢初めて!)が
つかつかとにじり出ておもむろに踏み出しました。
バチャバチャとヘルメットに弾き飛ぶ水流。
他のメンバーに押されながら、
「負けてなるものか」
という強い意志が見て取れます。
誰もがこの時「行ってくれ!」と思っていたことでしょう。
「一丸(いちがん)」とはこのこと。
そして果敢に水を押しのけ、見事突破に成功。
こういう突破力の人、何て言うんですか?
秘密兵器?
あとはロープを使って全員が登り抜けました。
チョックストーンの通過を経て、
なんとなく各メンバーのポジションというかキャラが確立し、
遡行するほど結束が高まっていきます。
次々に現れるゴルジュの難所は、
それひとつでもフツーの沢にあったら
どれもが「名所」的な面白さがあります。
ついつい前のめりに
「行けるかどうか行ってみたい」と一人で
確保もなしに突っ込もうとしてしまう。
いや、その気持ち、わかります。
わかるんだけど、他のメンバーのことも考えて、ロープを引いていってください!
そのくらい、アドレナリンが出て
熱中してしまう魅力があるのが小川谷廊下なのです。
最後の滝もチャレンジングな右壁を全員が登り、
脱渓点へ抜けました。
やっぱりおもしろい。
特にチームで遡行することの利点が
ホント良く感じられる課題が随所にあります。
小川谷廊下、勝手にチームビルディング、でしょ。
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栗山祐哉 (くりやま ゆうや)
JMIA 日本登山インストラクターズ協会
上級登山インストラクター
SMPO 日本安全登山推進機構
代表理事
アウトドアブランド " Ferrino "
公式日本人アンバサダー
登山教室 Kuri Adventures
代表主任講師
《著書》
・はじめてのテント山行 メイツ出版
・疲れない山歩きの技術 メイツ出版
・新しい登山の教科書 池田書店
・軽量登山入門 学研
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